越前の山あいに佇む、花虎窯・武曽健一さんを訪ねて
福井県越前市にある「花虎窯(かこがま)」の武曽健一さんの元へ伺いました。
備前の町から車で約30分。どんどん山の中へ入っていく道のりに、少しドキドキ……。
「この先で合っているのかな?」と不安になりかけた頃、目的地である武曽さんの陶房に到着しました。
緑に囲まれた癒しの空間
空気が澄んでいて本当に気持ちいい!
周囲には美しい木々の緑と、のどかな田んぼが広がり、まさにマイナスイオンたっぷりの癒し空間です。
武曽さんは古民家を丁寧に改装し、そこを工房兼ご自宅としてお使いになっています。自然と調和したその佇まいは、どこか懐かしさを感じるほど。
印花技法が生む、優しさとシャープさが共存する器
武曽さんの作品は、一目見て心を奪われるような独特の魅力があります。
とくに目を引くのが、そのやわらかな色合い。思わず「どうやってこの色が出るのだろう?」と見入ってしまいます。
作品には「印花(いんか)」という技法が使われており、焼成前の器に薄く押されたハンコ模様が特徴です。
その模様と器のシャープなラインが絶妙に調和し、温かみのあるやさしい雰囲気を醸し出しています。

超多忙な作家さん、貴重な作品を少しだけ分けていただきました
武曽さんは非常に人気の高い作家さんで、作品を手に入れるのもなかなか難しいのですが、今回はご厚意で少しだけお分けいただけることに。貴重な機会に感謝の気持ちでいっぱいです。
畑で息抜き。意外な一面も
「お買い物、大変じゃないですか?」とお聞きしたところ、
「自宅前の畑で野菜を作ってるんですよ」と、思いがけないお答えが返ってきました。
作陶に没頭する合間に、畑で土とふれ合う時間が大切なリフレッシュになるのだそうです。
花虎窯という名前から想像できない、穏やかな人柄
実を言うと、「花虎窯」という少し勇ましい響きの名前から、訪問前はちょっと緊張していました。
でも、実際にお会いした武曽さんはとても穏やかで、優しさがにじみ出る紳士でした。
忙しい中、貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。