秋の気配とともに、信楽へ工房訪問
8月下旬、少しだけ秋の気配が感じられる頃。
信楽まで、新しくご縁をいただいた藤原純さん、山本雅則さんの工房を訪ねてきました。
◆ 藤原純さん|伝統の窯から生まれる、動きのあるうつわたち
細道を上っていくと、タヌキやカエルなどの土のオブジェが点在する、味わいある工房が見えてきます。
ここが、代々続く「古仙堂」の窯元、藤原純さんの工房です。

曾祖父の代から続く窯元で、今も花器や動物のオブジェを制作中。



日中は窯元の仕事を、夕方からはご自身のうつわづくりを——
驚くほどの情熱で、日々新しい作品を生み出しておられます。
花瓶やオブジェとうつわの土・窯を共有することで、効率的に制作ができる工夫も。
動物のオブジェを作る中で養われた動きや曲線の感覚が、うつわにも生きています。


青い釉薬が美しい独特のうつわたち。見るだけで躍動感を感じるデザインです。
工房で目を引いたのは、素焼き後のシンプルなめし椀。
実は「純さんのうつわに合うめし椀が欲しい」という声から生まれた作品だそうです。

完成品を見せていただくと、
力強く、青と窯変が美しく共演した素晴らしい仕上がり!
食卓をぐっと豊かに彩ってくれそうです。


◆ 山本雅則さん|しのぎに宿る、丁寧な手仕事の美
「幸山窯」の3代目として作陶を続ける山本雅則さん。
工房には登り窯や穴窯も残され、歴史の重みが感じられます。


山本さんと言えば「しのぎ」。
うつわ全体に施された繊細なしのぎ模様は、すべて手彫りによるもの。


今回は特別に、陶板皿へしのぎを施す実演も見せていただきました!

アタリもなく、外側から「シュッ、シュッ」と彫り進める手元は、まさに職人技。
力加減や角度も絶妙で、均一な美しい模様があっという間に完成します。

陶板の中央をわずかに凹ませることで、料理の盛り付けやすさも追求。
新作の「しのぎマグカップ」は、これまでよりも柔らかい雰囲気。
デザインの幅広さにも驚かされます。

工房の別棟には、3基の大きな窯があり、焼成の現場も見せていただきました。

今後の展示情報
藤原さん・山本さんには、9月の「豆皿展」にもご参加いただく予定です。
また、来年1月には、藤原純・山本正則さん二人展も開催決定!
お料理好きな方、日常のうつわにこだわりたい方には特におすすめです。
今からとても楽しみにしています♪
作家さんたちへ感謝を込めて
お忙しい中、快く時間を割いてくださった藤原純さん、山本雅則さん、
本当にありがとうございました。