木の温もりと香りに包まれた工房で、一つひとつ丁寧に削り出される木の茶筒。
使うたびに愛着が深まる道具には、作り手の想いと技術が宿っています。
今回は、そんな魅力あふれる作品を生み出す『木の仕事』の木工作家・會田竜也さんを訪ねました。
木の茶筒との出会いから工房訪問へ
會田竜也さんとの出会いは、HPに掲載されていた一枚の茶筒の写真。
洗練されたフォルムに一目惚れし、すぐにご連絡。
ご縁がつながり、ついに工房を訪ねる日がやってきました。
工房は中国自動車道・吉川インターから車で少しのどかな自然の中にあり、ご自宅と工房が隣接しています。
到着してまず驚いたのは、工房内に所狭しと並ぶ大型機械。
そして外には、これから作品になるであろう大量の木材が積み上げられていました。



茶筒から家具まで、幅広く手がける木工の仕事
會田さんは、茶筒や生活道具だけでなく、椅子やテーブルなどの家具制作も行っており、そのすべてをお一人で手掛けているとのこと。
木に触れる仕事を始めたのは大学生の頃。
卒業後は別の仕事を経て、やはり木と向き合いたいという思いでこの道を続けてこられたそうです。



茶筒の魅力は「スワッ」と閉まる蓋の感触
茶筒は、木片をくり抜いて作る繊細な仕事。
使う木の種類は桜、クルミ、かりんなど様々で、それぞれに香りや肌触りの違いがあるのも魅力のひとつ。
工房の天井近くには、乾燥中の茶筒がずらりと積まれ、自然の力を借りてゆっくりと作品へと近づいていきます。
蓋を閉めるときの「スワッ」と吸い込まれるような感触は、一度体験すると忘れられないもの。
季節や天候によっても微妙に変化するのだそうで、自然素材ならではの奥深さを感じました。



2階のギャラリースペースで作品に触れる
工房2階には、これまでに制作された作品がずらりと並び、展示会や個展に向けた準備が進められていました。
魅力的な椅子にも実際に座らせていただき、木のしなやかさとぬくもりを体感。
さらに、お皿を削る作業風景も少し見せていただき、木の仕事の奥深さを垣間見ることができました。



茶筒が陶和に届く日を楽しみに
會田さんの手から生まれる茶筒たちは、それぞれに異なる木の個性があり、香りや手触りの違いに新鮮な驚きがあります。
陶和にお迎えできるのはもう少し先になりそうですが、皆さまにご紹介できる日を心待ちにしております。
これからも、うつわギャラリー陶和では、素敵な作家さんとの出会いを通じて、暮らしを彩るうつわや道具をご紹介してまいります。お楽しみに。